天神山滞在ブログTenjin_blog

【レポート】ミシェル・ウノーと、エルネスト・ドゥアナスによるアーティストトーク Report: Artist talk by Michel Huneault, Ernesto Duenas

2023/04/19

こんにちは!

さっぽろ天神山アートスタジオです。

先週末の土曜日(4/15日)に、久しぶりに滞在アーティストたちによるArtist Talkが開かれました。

今回のArtist Talk では、現在滞在しているアーティストのMichel Huneault (カナダ、モントリオール出身の写真家)と、Ernesto Duenas (カナダ、モントリオール出身の画家)のお二人にプレゼンしていただきました。

最初のTalkは、カナダ出身の写真家であるMichel Huneaultさん。

彼は、2011年より毎年日本を訪れ、東北地震後の街並みの変化の様子を追いかけていて、現在までの様子を取り続けたドキュメンタリー写真をたっぷりと見せてくれました。

2011年に東北地震が起きた時、Michelさんは、実は日本にいたわけではなく、タイのバンコクにいて、テレビで地震の様子を見たそうです。その際に、実際に現場に行き、「真実」を見届けるということの重要性にかられ、当時は混乱の最中、ネパール経由でないと日本へ入国できないと聞き、四苦八苦、七転八起しながら辿り着いたそうです。その後、石巻周辺を本拠地にしながら、大量のゴミの清掃作業のボランティア活動をしながら、周辺住民と暮らし、親しくなり、様々な縁が重なり、気がつけば、毎年、東北を訪れ、地域的な性格の違いが顕著に表れる、再生の様子を自身のドキュメンタリー写真撮影のプロジェクトとして、追いかけることになったそうです。ドキュメンタリー写真という、感情を抜きにした、「そのままの真実」を撮影するということにこだわりながらも、同時に、集団的トラウマをどう克服していくか、というような感情的な側面での課題に、人との交流から、いつも考えるようになったそうです。

続いては、偶然なのですが、カナダ、モントリオール出身の画家で、Ernesto Duenasあん。

彼は、つい数年前まで、ずっと建築家として働いていたそうです。ある時、ふと自分が今まで選んできた道のりは、他の人(親とか、パートナー、はたまた社会全体)のためだったり、こうあるべきという思い込みだったのでは?と考え込むようになり、自分が本当にしたいことをしようと思い立ち、バッサリ建築家としての仕事や、自分の姿勢を改め、画家として制作するようになったとのこと。現在は、主に興味深い人たちの肖像画を描いたり、ホームレスという立ち位置に置かれている人たちを描いたしていますが、スタイル的には、こだわりを捨て、その時々の感覚を大切にしながら、油絵にしてみたり、鉛筆画、アクリル画、版画と、実験的模索を続けているそうです。キャンバスに向き合うことで、はじめて自分の中のエゴの部分と、エゴとは離れたピュアな部分の違いみたいなことを考えるようになった、という発言が印象的でした。

現在の天神山スタジオは、ほぼ満室状態なので、今回のArtist Talkも十数名の参加となり、スナックと飲み物を囲いながらのプレゼンの後の交流もとても楽しい時間となりました。今年の天神山は、にぎやかになりそうですね!