Artist in school/アーティストインスクール
ADRUNNOGNT/アドルウント in 本町小学校
アドルウント(ノンさん:アーノント・ノンヤオ/ タイ、ユンさん:ユン・ヌエン/ ベトナム)が本町小学校に通い始めて2週間が過ぎました。これまで1日置きのペースで通っています。ノンさんは、サウンド・アーティスト、ユンさんは映像のアーティストで、それぞれ個人でもアーティスト活動を行いますが、今回は、2人の得意分野を持ち寄りユニットで活動をしています。
アーティストのアトリエ(教室)の机の上には、一見するとガラクタのようなものが山積み。中休み、興味津々な子どもたちが恐る恐る入ってきて何かに手を触れる。触ったものにコンタクトマイクが付いていて、音を拾い思いがけず大音量が出る。「なにこれー!」「すごーい!」となって、後はもう爆音ノイズパーティーの20分。
他にも、コマ送り&リピート再生機能の付いたハンドカメラが入り口に向けて設置してあります。そのコミカルな動画は随時プロジェクターでスクリーンに映し出されているのですが、そのカメラに何が映るかというと入り口で躊躇する子どもたちの姿。彼らは自分の姿が映っていることに気づいて、一歩、また一歩と教室に入ってきます。コマ送りで再生される自分たちの姿を見て、笑いながら飛んだり跳ねたり。仕組みに気づいた子が別の子に教えて、なるほど、こうなっているのか!という感じで自分たちで遊び方も発展させていきます。
ユンさんは休み時間ハンドカメラを持って校内をまわり、子供達に得意技を披露してもらっています。「ザリガニを手で掴める!」「キーキー声を出せます!」百人一首、トランプマジック、モノマネ、歌、逆立ち、縄跳び、フラフープ、などなど。みんなでヨサコイを披露してくれたクラスもありました。
今回のプロジェクト名は「冷蔵庫での移動とエネルギー図書館のプロジェクト」というもの。南国タイとベトナムからやってきた二人にとって札幌は冷蔵庫の中に暮らしているようなものなんですね。子どもたちから発生するさまざまな熱を”エネルギー”とみなして集めようと計画しました。具体的には、子どもたちみんなで音を出してそれを録音。得意技を披露したい、見てもらいたいというエネルギーを録画。こうして収集した音や動画が集めて”図書館”がつくられていきます。
最終日2月20日のお披露目会では、この図書館が動き回ります。ソリにくっつけたスピーカーや楽器やマイクで、ドンガラガッシャン音を鳴らしながら、プロジェクターで廊下の壁や天井に映像を映し出しながら屋外へ出て、最後には校庭の雪を大きなスクリーンに見立て、上映会が行われる予定です。
*上映会のイベント情報* ⇒ https://tenjinyamastudio.jp/2019-2020-sknow.html
*Artist in school/アーティスト・イン・スクールとは
高度経済成長期にマンモス化した日本の公立の小・中学校の校舎では、少子化が進み、校舎の中に空き教室が生み出されるようになってきました。この時代の変遷で生まれた「すきま」をアーティスト・イン・レジデンスの新しいサイトとして見出し、子ども達の通う(現役の)小学校の「余白教室」をアトリエにして、アーティストが一定期間、一時的に滞在し、制作活動を行うプログラムです。アーティストは、学校での制作活動を通じて、子どもたち、教職員、保護者、地域住民と交流を行います。
ADRUNNOGNT/アドルウント http://www.arnontnongyao.com/