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【おとどけアート】札幌市立伏古小学校×進藤冬華 活動ブログ4

札幌市立伏古小学校でのおとどけアート4日目。

 

3日目の活動で、色々気づきがあったアーティストの進藤さん。

本日は、新たに2つの仕掛けを準備。

ひとつ目は、前回メモした初日の登校以来子ども達から浴びせられる共通のキーワードを書き初めする。

二つ目は、学校の中では聞くことのない生活の中でみんなが知っている環境音を流してみる。

です。

 

まずは、書き初めから。

キーワードは、

「あんた誰?」

「何しにきたの?」

「本当の用事」

「何でもいいじゃん!」

「トラブル」

です。

 

新聞紙をひろげ、子ども達が来るのを待ちます。

まずは、5年生がちらほら。

いつも通り

「何してるの?」

と問いかけてくるので、

「習字やらない?」

と投げかけると、比較的スムーズに引き受けてくれました。

新聞紙に下書きをする慎重さを見せてくれました。

 

 

続いて中休みに現れた2年生。

躊躇なく書き進めてくれます!

 

ここまでの仕上がりはこんな感じ。

 

 

この一連の行為が、いったいどのような意味を持つのかまだ正確には説明できませんが、なぜかとても滑稽で、書いてる子も見ている子もなぜか楽しそう!

 

一番興味深かったのは6年生。

10人ぐらいで続々と集まってきて、、、

「誰か書いてみない?」

と投げかけても、なかなかやろうとしません。

 

 

押し問答の末、1人の子どもが書き始めると、

「一文字づつ書こうよ!」

とか、

「どう書いたらいいの?」

とか、正直とてもめんどくさい展開に(笑)。

でも、何がおかしいのか人が書いているのは見たいという不思議な連帯感。

この現象は観察者であるアーティストにとっては見逃せない場面でした。

 

 

みんなが書いてくれた文字は、柱に設置。

 

 

予想外に空間も面白くなてきましたね。

この文字を書く行為は、今後も継続の予感です。

 

さて、二つ目の仕掛けへ。

進藤さんが用意した音は、

1)某スーパーマーケットで常に流れている音楽

2)某コンビニエンスストアの自動ドアが空いた時の音

3)某ファストフード店のポテトが出来上がった時の音

4)某ICカードをタッチする時の音

5)コーディネーターの叫び声

の5つ。

実は前日までに、どこにスピーカーを隠して、どういう音を、どういうタイミングで流せば良いか、何度か実験を行っていました。

 

いざ!休み時間!

 

またもやソワソワが止まらないアーティスト。

自前のスマートフォンから遠隔操作で音を流します!

コーディネーターもスタンバイし、遠隔操作で音を流します!

 

 

スピーカーを仕込んだ場所に子供達や先生が通りがかるタイミングを目掛けてスイッチオン!!!!

、、、、、。あ、あれ???

なんか思って他のと違う反応が、、、。

<検証結果>

1)某スーパーマーケットで常に流れている音楽
→歌い出したり、踊り出す子がたまにいる。
→あまり気にしていない雰囲気。

2)某コンビニエンスストアの自動ドアが空いた時の音
→たまにキョロキョルする人がいる。
→休み時間の校内は意外と騒がしく聞こえていない為反応しない人が多い。

3)某ファストフード店のポテトが出来上がった時の音
→たまにキョロキョルする人がいる。
→休み時間の校内は意外と騒がしく聞こえていない為反応しない人が多い。

4)某ICカードをタッチする時の音
→たまにキョロキョルする人がいる。
→休み時間の校内は意外と騒がしく聞こえていない為反応しない人が多い。

5)コーディネーターの叫び声
→聞こえているはずだが、ふだんから先生の声が響いているせいか気にされていない。

総合的には、休み時間の校内は意外と騒がしく聞こえていない為反応しない人が多い。

あるいは、おとどけアートのプログラムだとバレていてむしろ違和感を感じていない。

きっとあの人たちだろうと解釈されている。

逆に、あり得ない現象をすんなり受け入れているようにも見えて、何とも複雑な気持ちになる結果となりました。

この仕掛けが、何かに影響するところまで発展していくのだろうか、、、。

何となく肩透かしを喰らった検証となりました。

 

さて、4日目は主に2つの仕掛けをもとにその反応や影響を観察する日となりましたが、それ以外のところでもいろいろな発見が。

進藤さんが日記のように、伏古小学校に通い始めてからの日々の考えを記した文章を掲示しているのですが、意外と子ども達が読んでいるということ。

 

 

そして、ホワイトボードや模造紙を置いておくと、

「何か書いてもいい?」

と聞いてきて、

「どうしたらいい?」

と聞き返すと、落書きをしたいという欲求を持ちながら、書き始めると独自のルールを発動して枠をはみ出ないこと。

 

普段学校内で起きる現象は、ルールや枠が明確にあることによってそこをはみ出した時に起きるハレーション。

しかし、ルールを特に設定していないこの場所では、そこでアクションを起こしたい子ども達独自のルールが発動し、はみ出さない。

そんな小さな現象が起きていました。

 

「子ども達の方が面白いな、、、。」

 

そんな独り言を呟いて、4日目の活動は終了。

アーティスト思いにふける。

次回に続く。

 

コーディネーター:漆