12月17日(金)。
作品お披露目3日目。
この日は、休み時間に3年生。授業時間に6年生が見に来る日でした。
学校に到着して準備をしているとまもなく、3年生がやってきました。
こちらは、サイアノタイプ(青写真)の技法を使用した作品。
何かを表した文字や線は地の白、それ以外は太陽光で感光したもので、
千葉さんはこれを絵画である、として子どもたちにお話ししていたのが印象的でした。
いわゆる、絵画というものは壁面に額装して展示しているもの、
それも絵具や筆を使い、描かれているモチーフは人物や、風景などを思い浮かべますよね?
ですが、この作品は、支持体自体は木枠と麻布、パルプベースと
絵画の下地として使用されているものではありますが、
写真の技法を使い、額装もなく床置き、文字などが書かれているが、
重なっている場所は読むことができない、などといった、
おおよそ一般的な絵画の作品とは違った要素がたくさんです。
というのも、千葉さんがこれまで学校に通って子どもたちと話してきて
美術=絵を描く、といった認識が多かったこともあり、
絵の固定観念、既成概念に揺さぶりをかけてみるような狙いがあったそう。
しかし、「絵とは○○だ!」ということでもなく、正解はないことも伝え、
少しでも何か考えるきっかけを与えたい、という気持ちが
千葉さんの話しぶりからも窺い知れます。
今回の滞在で活動拠点、アトリエとして使わせていただいたのが、
3年生の教室の目の前の1室だったために、
おそらく一番千葉さんとの距離が近かったと思われる子たち。
彼らの目にはどのように写り、聞こえ、感じたのでしょうかね。
休み時間が終わり、今度は6年生が授業時間を使って見にきてくれました。
同じように、最初は自由に見てもらいます。
6年生にもなると、描かれている文字を
読んでそこから理解を得ようと試みているようでした。
ここでこう書いてあるから、あそこもこういう意味じゃない?
と自然にお互いに解釈を話し合う様子が見られたのは、
おそらく、普段の学習の積み重ねによるものなのかなと感じました。
日常的にそういった話をし合える関係性があるのであれば、
それだけ作品の解釈が豊かになっていくので、ありがたいですね。
千葉さんとお互いの悩みの交換を試みる、という作品も
待ち列(ギャラリー)ができていました。
交換する相手はもちろん大事なのですが、
その様子を周りで待ちながら見ることで、二人の考えを聞きつつ、
自分ならどう考えるか、価値観の比較を促されるような
構造になっており、その様子も含め面白い試みになっていたのかなと思います。
いよいよお披露目も3日目が終了。
土日を挟んだ月曜日がお披露目最終日であり、
夏休み明けから続いた手稲西小学校での活動の最終日でもあります。
気を引き締めて臨みましょう!
(担当コーディネーター:杉本)