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【おとどけアート】札幌市立手稲西小学校×千葉麻十佳 活動ブログ20

12月16日(木)。

作品お披露目の2日目です。(文字多めです。。。!)

 

今日は2時間目から、5年生が授業時間を使って

作品を見にきてくれました!

簡単な挨拶の後、千葉さんからは、この部屋に作品が4つあることと

作品を見るときの注意点についてお話ししました。

 

それは、作品に触ってもよいこと、そして

友達と話しながら(作品と全く関係ない話題)でもよいこと、などで、

普段、美術館や博物館といった場所で呼びかけているような

鑑賞のマナーに囚われずに見てもらいたい、とのことです。

 

それだけ伝え、まずは自由に見てもらう時間としました。

(今日はなんとか撮影できましたよ。笑)

視聴覚室入り口には、教室の中のレイアウトとそれぞれの作品タイトルが、

掲示されているので、みんなそれをまじまじと見ていました。

どうやら5年生は、なにかワークシートのようなものに作品について

記入しているようですね。

この映像作品では、

「あなたにとって金と鮭、どちらが重要ですか?、その理由はどうしてですか?」

「あなたが今、欲しいものは金と鮭のどちらですか?」

という2つの質問を10人の先生に答えていただきました。

 

どちらか同じ回答だったとしてもその理由が異なっていたり、

重要だとしておきながら欲しいものが逆のものだったり、と

まさに回答が十人十色だったのが、本当に面白い。

子どもたちからすると、普段接している先生の回答は、

きっと我々ともまた違った感じ方をしていたのではないかと思います。

こちらは、2脚の椅子が置かれているスペースなのですが、これも作品です。

片方に千葉さんが座り、もう片方に誰かが座ることで、作品として動き出します。

 

誰かが座ると、おもむろに千葉さんがその人に対して、

自身が抱える美術についての悩みを告白します。

それを聞いてもらった後、今度は座った人に

美術についての悩みはありますか?と尋ねます。

お互いに悩みを出し合うのですが、

何か解決に導いたりする様子が見られません。

 

実はこれは、先の映像作品を作る過程で、

先生方に答えていただいた中で"交換"という言葉が

複数人の先生から出てきたことがきっかけで、急遽生まれた作品で、

"交換"が成立するのは、お互いに同価値あるいは近しい価値と

感じたもの同士で初めて成り立つものなのですが、

一人一人個人差のある悩みは、果たして交換しうることができるのか、

という試みを行った実験的な作品です。

 

 

子どもたち一通り作品を見終えたであろう頃合いを見計らって、

最初の位置に戻ってもらい、今度は千葉さんが作品一つ一つを

どのような意図で作ったのかを解説していきます。

このときも、これから私が話すのはあくまで作者の考えであって、

必ずしも正解ということではありません、と前置きし、

最初に受けた印象を大事にしてほしいと話していたのが印象的でした。

 

千葉さんの解説の後、もう一度自由に見てもらう時間を設けましたが、

感想を言ったり、意見を発表することを強制したくないという千葉さんの要望もあり、

感じたことや思ったことは、それぞれ大事にして欲しいと伝え、授業を終えました。

何か言いたいことがある子どもは多分自発的に言ってくるはずです、と千葉さん。

 

 

休み時間の割り当ても、授業の後に子ども自身の意思で見に来る/来ないを

選択できるような割り当てにしていただきました。

ということで、お昼休みは5年生がやってきましたよ。

千葉さんとお互いの悩みを交換する作品は、授業で解説を聞いた上で、

何人かで輪になって行われていたのが想定外で、

"複数人による交換"は可能なのか、と示唆されるような瞬間に

なっていたのではないかと思います。

 

その様子も含めて、どの子も伸び伸びとリラックスしながら作品を見ていて

千葉さんが思い描いていたのはこういう雰囲気だったのかと私自身体感しました。

 

 

授業ではずっと声を張って話していたのもあって千葉さんも疲弊している様子。

子どものエネルギーと面と向かってぶつかるだけでも大変ですからね。

千葉さん、お疲れさまでした!

 

(担当コーディネーター:杉本)