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【人材育成】コーディネーター見習いの勝手な感想④

私は、アイスプランニングが企画運営している「創作活動支援人材育成プログラム」に参加し、アーティスト支援の現場で経験を積んでいる途中です。今までもそれなりにアート界隈をうろちょろし、鑑賞やボランティア活動だけでなく、プロジェクトの企画立案運営もしました。そんな感じで、ほどほどの経験はありますが、まだまだ未熟者です。そんな未熟なコーディネーター見習いの視点で、アイスプランニングのアートの現場で考えたことを「コーディネーター見習いの勝手な感想(見習い日記)」として綴ります。以下、アイスプランニングのコーディネーターをコーディネーター、「創作活動支援人材育成プログラム」の参加者を人材育成メンバーとします。

 

【おとどけアート】札幌市立北都小学校 × 黒田大スケさんの活動にお邪魔しました。担当する人材育成メンバーが執筆した、私が参加した活動日のレポートはこちら。私の活動日は前半と後半で1日ずつにして、どのような変化があるのかも見ることにしました。

【おとどけアート】札幌市立北都小学校×黒田大スケ 活動ブログ2

https://ais-p.jp/news/2026/01/22/otodoke-2025-26-kuroda-02/

【おとどけアート】札幌市立北都小学校×黒田大スケ 活動ブログ8

https://ais-p.jp/ais_blog/2026/03/01/otodoke-2025-26-kuroda-08/

 

AISプランニングにしては珍しく、私の活動日が決まる前に曜日ごとの担当コーディネーターが共有され、同時に待ち合わせ駅の連絡がありました。今回はアーティストの活動日が2週間(平日10日間)と短いからかもしれません。それでも、待ち合わせの時間や詳細な場所(駅で待ち合わせする時の必須要件)は、前日にしか知らされないのだろうと高をくくっていました(慣れた、とも言う)。

そしたら、私の活動日の前日(アーティストの活動初日)に突然SNSグループメッセが立ち上がり「みなさん北都小のおとどけアート連絡グループです。よろしくお願いします。」とコーディネーターからのコメントと「新聞広告」というファイルが共有されました。続いて人材育成メンバーから、何かを説明しているようなテキストがされ、私は「?」と思いつつ「新聞広告」が開けないことを書きこむ。しかし、だれからも返答はなく、短歌やポエムが次々に他の人材育成メンバーから共有される。明日の待ち合わせ詳細についての私からの問い合わせも既読スルーで、私は「なに?なに?なに!?」状態のまま放置される…。ってか、AISプランニングの対応は、いつも私の想像のナナメ上を行くので飽きない。とは言え、明日の待ち合わせ場所は自宅から1時間強かかるので、あまりのんびり構えてられないなぁ。と思い始めたころに、コーディネーターから説明コメントが入ったので、私は切り捨てられているわけじゃないと安心した。

このことで改めて気づいたことは、初日に参加していない=チームビルディングに出遅れているといことなので、その方には丁寧な説明をしないとついていけなくなり、そのまま自分の居場所を見つけられなくなり脱落する結果になりがちなので、注意・配慮が必要だなと思った。まぁ、私に関しては、わからないことはガンガン聞くし、変だと思ったことは遠慮なく言うので、コーディネーターも心配していなかったのだろう。

 

1.2026年1月20日:私の活動初日

朝の待ち合わせは全員無事合流できたので、移動の車中で、前日のグループメッセについて聞いてみた。「なんの説明もなく、短歌やらポエムやら送られてきて、怖かったんだけど?」に車内は爆笑。私としては、笑いに還元できたので満足。

北都小学校に到着し、拠点での活動が始まる。アーティストの黒田大スケさんとは、直前のAISプランニングのイベントでお会いしていて、おとどけアートに参加することも直接お伝えしていたのですが、コーディネーターから改めてアーティストに紹介されて、なんだか緊張する。黒田さんからも改めて、人材育成メンバーには「ほくとにちにち新聞」の記事を書いてほしいとの説明が。そして、昨日今日は学校の歴史を知るためにアルバムや文集などを読んでいるので、気になったことがあったら共有して欲しいとも。AISプランニングのプロジェクトは、通常が放置システム(と私は認識している)なので、「ちゃんとしてる!」と驚いた次第。いや、これが普通なんだけどね。

ほくとにちにち新聞1

 

黒田さんは他にも動画作品を作ろうかと思考中らしいが、午後から来たコーディネーターが開口一番「黒田君、ボックスステップで動画撮れば?」と提案し、黒田さんが固辞するもごり押しが酷かった。周りは爆笑で、これは単なる笑い話でしかないけれど、アーティストが想像していないことを提案するのもコーディネーターの役割でもあるのかもしれないとは思った。もちろん、アーティストとコーディネーターの人間関係やキャラクターによってだとは思うけれど。でも、「黒田さんのボックスステップ」がパワーワード過ぎて、私は自宅に戻ってからYou Tubeでボックスステップのおさらいをした。

 

そして、自宅で「ほくとにちにち新聞」の原稿を書き上げ、19時前にグループメッセに共有して、この日の私の活動は終了。黒田さんは全員の原稿が上がるのを待って編集作業をするので、まだまだ終わらない。そして、コーディネーターは出来上がった新聞を印刷して、翌日学校に持ち込むので、その段取りも…遅くまでかかりそうだなと思ったら、20時ごろには完了した。みんな手早い。

(しかしこの後は、だんだんと完成時間が遅くなる傾向に…。日刊は大変だ。私は活動日だけ記事を書いているが、他の人材育成メンバーは活動日に限らずほぼ毎日のように書いている方もいる。この辺の取り決めはどうなっているのかわからないけど、まぁいいか。いや、いいのか?)

 

ちなみに翌週の月曜日は、札幌の大雪で休校。その翌日は、交通渋滞で待ち合わせ場所にピックアップのコーディネーターがたどり着けない状態になっていた。さらに路線バスも運休していたため、近隣の地下鉄の駅から30分以上かけて徒歩で小学校に行ったりと、中々シビレル展開。それでも、小学校行くことを誰も諦めない感じがチーム感を増していた(仕事だから当然ではあるが…)。

 

2.2026129日:私の活動最終日

前日(1/28)にグループメッセで、当日(1/29)の待ち合わせについてコーディネーターから共有されたのですが、まさかの私については言及なし。コーディネーター本人と待ち合わせ場所について相談していたにもかかわらずだったので、私は忘れられているんだなーと、ちょっと悲しくなった。なので、速攻「私は?」のコメントを入れて無事ピックアップの確認を取る。忘れられて落ち込んでいる場合ではない、AISプランニングのプロジェクトは色々と気が抜けないのだ。

当日も地下鉄で移動中に待ち合わせ駅の変更の連絡がきて、慌てて1駅前で降りることに。数日前の大雪の影響で渋滞が酷いので迂回ルートを探しながら進んでいるらしい。こちらも気が抜けない。渋滞を避けて移動したおかげで予定時間より早く小学校に付けたので良かった。

体育館横は雪山でほぼ1階が見えない状態

 

最終日前日となるこの日は、新たなプロジェクトを形にするための準備も行われました。黒田さんが映像作品を作って、小学校中のどこかでこっそり上映したいらしい。コーディネーターは事前に動画を上映するための機材関係の手配などを行っていました。そして、コーディネーターと長く付き合いのあるアーティスト冨田哲司さんが駆り出され、機材設置の方法などを一緒に考えてくれていました。こういった協力体制をつくるのもコーディネーターに求められるのだろう。凄いなぁ。

中休みの後は、黒田さんの意向に沿えるような上映場所を探し、小学校側との打ち合わせが重ねられていました。モノゴトが一気に動いている感じがして、コーディネーターの調整力と実行力を視た気がする。これまでのゆるい感じが嘘のよう(ある意味、失礼だけど)。

なんだかんだ言っても頼りになるコーディネーターと助っ人冨田さん

 

ある学年の授業で学校中を使った面白い仕掛けが作られていたので、給食後に私以外は学校探索に行くことになりました。しかし、活動時間の中休みや昼休みは拠点が不在でも良いだろうが、この日は昼休みではなく掃除の時間だったのでなにかあるかもと思い、私は勝手に拠点でお留守番をすることにしました(コーディネーターからの指示ではない)。

ひとりでのんびり「ほくとにちにち新聞」の記事を考えていたら、とある先生が訪ねてきました。「あら、いらっしゃ~い」ばりにウェルカム感を前面に出すと、先生は恐る恐る「子どもたちがアーティストのことを気にしているので、今日の授業でアーティストの紹介をしてから、子どもたちと一緒に拠点に来てみたいのですが…」と。詳しい時間や拠点に来たい理由(拠点で制作等はしていないので、子どもたちが制作風景を見たいのならがっかりさせるかもしれないと気になったが、そうではないらしい。とにかくアーティストと触れ合えれば良いらしい)などを確認し、アーティスト&コーディネーターが戻ったらお返事に行きますね~と伝えるが、先生は何度も「突然すみません」ととても恐縮していた。「アーティストもコーディネーターも不在なので私では決められないけど、可能な限り要望にはお答えするはずだから気にしないでくださいね~」と明るくお伝えするのが精一杯。「なにかあったら、勝手に対応しないでコーディネーターに繋いでね」というお約束の中で、私ができることはこれぐらいかな。

そして、グループメッセに「今すぐ戻ってきて!」と送ると、みんなわらわらと帰ってきた。事の顛末を伝えると、コーディネーターが「じゃ、これから行くか」と全員で大移動。教室に到着して担当の先生に繋ぐと、コーディネーターは「要望にはすべてお応えします!」と、とんでもない大風呂敷を広げていた。

授業は工作の時間だったらしく、アーティスト&コーディネーター&人材育成メンバーも一緒に授業に混ざり込み、子どもたちに声をかけながら制作する様子を見ていた。その後、アーティスト紹介なども無事完了。事前打ち合わせなしのぶっつけ本番だったけど、子どもたちもそれなりに受け入れてくれた感じではあった。良かった。

 

この日も帰宅してから新聞記事を書き、20時前には送って私の活動は完了。この日の「ほくとにちにち新聞」は翌日発行になっていた。黒田さんは動画作成に集中していたのだろう。私も完成が楽しみ。

 

3.2026217日:黒田さんの作品を観に行く

アーティストの活動最終日に無事作品が設置されたようですが、どこにどのように設置されたのかの共有はないので(AISプランニングにありがち問題)、作品メンテナンスに便乗して鑑賞に行くことにしました。とはいえ、会話の端々でどこに設置されたのかはなんとなくの想像はつく(つまり私以外の方々=ほぼ毎日行っている方々はわかっている状態なのだろう。こんなところでも疎外感はあるものだ。まぁ、私は気にしないけど)。

コーディネーター、人材育成メンバーと一緒に小学校に着くと、校長先生が校長室に設置された作品は「あっという間に見つかりました()」と楽しそうに教えてくれました。4階廊下の奥に設置された作品も子どもたちと一緒に何度も観ているとのこと。こちらの作品を怖がる子どももいるとのことですが、私もわかる気がします。ある違和感に背筋が寒くなる瞬間があるのです(見習い日記は作品解説ではないので詳細は語りません)。

こののぞき窓にぼんやりと映像が浮かび上がる仕様

 

そして、コーディネーターは、4階の作品をもっとアーティストが思う形にアップデートできるかを検討していました。コーディネーターは、おとどけアートという設営時間もなく制約も多い中で、アーティスト不在でも作品をより良い(アーティストの意図に近づける)形にすることに余念がありません。コーディネーターがアーティストの意図を理解していることが前提ですが、こういう作業(アーティスト不在での作品のアップデート)はあまりないと思っています。それでなくとも、関係者でなければ作品のメンテナンスは見ることがありません。とても貴重な経験をさせてもらえました。

他にも、廊下に貼りだした「ほくとにちにち新聞」も子どもたちの猛攻に晒されて数を減らしていることがわかりました。破れた新聞は先生方が補修してくれているようですが、とてもじゃないけど太刀打ちできない様子。子どもたちのパワーは計り知れないね。同行したコーディネーターから、翌週メンテナンスに行くコーディネーターへ対応依頼の伝言を頼まれたので、帰宅後速攻でグループメッセに流す(同時に、校長先生から伺った子どもたちの様子も抜かりなく共有する)。コーディネーターは作家の希望を確認して、3人それぞれが早速の対応をする。この辺の連携は見事!

よれよれになってもがんばってる「ほくとにちにち新聞」(先生方の補修のお陰でもある)

 

小学校という、教師や保母者以外の大人にとって異質で閉鎖された空間に、異物(アーティストや他の大人たち)が入り込むような場でのコーディネートは簡単ではないよなぁと、改めて感じました(先生方も大変だろうなぁと)。2025おとどけアートのアーティストも、決まりきったワークショップにならないようにと苦心している様子も感じました(特に子どもたちと一緒に制作する場合において)。そして、子どもたちの反応が素直でダイレクトで気が抜けない感じも楽しい。このような場をアーティストと一緒に創るコーディネーターに求められるものはなんだろうと、コーディネーター見習いの私は改めて考えています。

 

人材育成メンバー:成田真由美