札幌市立北都小学校でのおとどけアート、5日目。

けさも『ほくとにちにち新聞』第4号が刷りたてです。
読めば思わず笑みがこぼれる。でもちょっと考えさせられる。
シュールで真面目な紙面に仕上がっています。

本日分の刷り上がりが朝礼のプリント配布の時間に間に合わなかったので、
中休みに黒田さんみずから各教室に配達します。





アーティストになるまえ、学生時代に新聞配達のアルバイトをしていた黒田さん。
当時は仕事が大変すぎて、「新聞なんてなくなってしまえ」と思っていたそうですが
20年の時を経て、なんと編集長から記者、配達員まで兼任することに。
ところで『ほくとにちにち』紙第4号の1面記事「遠い道のり」には、
芸術家になりたいと思っている子どもたちを応援したい、と書かれていますが
ちょうど今日の配達中に、”将来画家になりたい”と昨日話していた少年と再会しました。


この控えめな少年、今日は相談があって来たそうで……
「もし、黒田さんが学校からいなくなったあとも、
連絡をとるにはどうすればいいですか?」
照れつつも仕事用のメールアドレスを教えてあげる黒田さんでした。
ところで、今日の印刷物は『ほくとにちにち新聞』だけではありません。
こちらの「ニュースぼしゅう」キャンペーン用記入用紙を、
全校の皆さん(先生含め)に1枚ずつお渡しするというミッションがあります。

ニュースぼしゅう
「たのしいこと、かなしいこと、おもしろいこと、こわいこと、つたえたいことを、絵でもなんでもいいのでここにかいて、がっこうの各階にあるポスト(ダンボールばこ)に入れてください」。
回答者は名前を書かなくてもいいし、
書いてくれた内容は原則口外しません。
実は『ほくとにちにち』紙の隅っこでずっと
【情報求む!!!北都小学校に関する面白い話があったら黒田大スケに教えてください】
と報道員の募集をしていたのですが、一週間たっても全然応募がありません。
そこで、もっと積極的な記事募集をかけよう!と、
学校の全員に記入用紙を配布することにしました。
というわけで、まずは「用紙配布のお知らせ」をお昼の校内放送でさせてもらうことに。
さっそく放送場所である校長室にお邪魔して、今日は藤根先生と給食をご一緒します。

と、ここで、藤根先生からさっそく耳よりな情報提供が。
藤根先生の初任校であるお隣の東川下小学校で、
かつて恐ろしい超常現象を体験したそうで——
「怖いから同僚の先生たちと、いいおとな三人で
背中をくっつけあって廊下を歩きましたよ……!」

お話の内容は、ここでは書けないくらいこわかったので割愛しますが、
この調子で、子どもたちや先生の皆さんからも
どんどん報告をいただけたらいいな、と期待しています。
藤根先生からの聞き取りを進めているうちに、
あっというまに放送時刻に。
HIKARIさんのアシストで特製のポスト(ダンボールばこ)をお見せしつつ、
黒田さんから全校の皆さんへ情報提供をよびかけます。


さて、このままだと目の前の給食の輝きに埋もれて
ポストのことが忘れられてしまうかもしれないので、
校長室を飛び出して、全クラスに情報提供用プリントを配りに行きます。
いざ、本日二度目の配達へ!




それから、皆さんに機密情報を投函してもらうための特製ポストを
校内各地に設置しておかなければいけません。
こちらも手分けして、各階に1カ所ずつセッティングしていきます。





このように、ひととおり設置してから気づいたのですが、
これがなんのためのポストなのか、ただ置いてあるだけじゃわからないですよね。
そこで、黒田さん・コーディネーター小林・HIKARIさんの3名で
目印になる看板を作成し、ポストのそばに貼り出すことにしました。






設置してみたら、自分で描いたポスターとポストのイラストに
奇妙なつながりを感じた黒田さん。
おもむろにマスキングテープを取り出し、細工をはじめました。
「なんかこの、こっちも目、こっちも目、みたいな……」
ビリッ ペタペタ



おわかりいただけるでしょうか。
ポストとポスターに共通する「目」のモチーフが、
1本のピンクのマスキングテープで繋げられています。
「ちょっとコンセプチュアルすぎたかな……?」
ささやかながらインパクト大の細工に自分でも戸惑いつつ、
しかしなにか手ごたえがあった様子の黒田さんでした。
ポスト設置を終えて、一同は開放図書室でひと休み。

今日も元気に作曲と演奏をするHIKARIさんに
新たに「子守歌」のリクエストをしてみたり、
ふだん現代美術の研究をしている私いがらしの
愉快な資料収集やリサーチの話をしてみたり。
こういう些細な日々の報告が、
「ほくとにちにち」新聞のニュースになっていくのかもしれませんね。

ちなみに黒田さんの最近のニュースは、Instagramのフォロワーの約半数が
怪しいスピリチュアル系のアカウントだと気付いたこと。
「前に、なんということもないアーティストトークに出たとき
ちょっと気合が入らなくて、ひたすら怖い話をしたことがあったんですよ。
そしたら思ったより盛り上がってしまって。
スピリチュアル系の人に興味を持たれるようになったのは、
それ以来かなあと思ってるんですけどね……」
こわい話は好きだけど、最近この因果関係らしきものに気付いてから
よく知らない人が多い場ではこわい話をしたり聞いたりするのを控えているそう。
でもちょっとだけ思いますが、
そうやって好きなことを我慢しているとそのうち
地面の穴に向ってでもこっそり話したくなるときがきますよね。
でも最近は雪が積もりすぎて、地面の穴を掘るのは大変です。
なのでそんなときは、おとどけアートの特製ポストに
遠慮せず報告してくれたらいいなと思います。
***

ついにポスト設置にこぎつけた5日目。
実は黒田さんが下校するさい、玄関まで廊下を歩いていたら
はやくも数件の投函現場に遭遇しました!
ニュース募集の一歩を踏み出した『ほくとにちにち』紙に、来週もご期待ください。