札幌市立北都小学校でのおとどけアート、2日目。
今日は中休みの少しだけ前に登校し、拠点の開放図書室に集合した一同。
軽く昨日の資料読みの続きをするうちに、もう中休みが始まる時間に。
またすぐ図書室の外に出ます。

今日の校内散歩メニューは、1階の教室&玄関めぐりです。
廊下に飛び出してきた子どもたちと挨拶をして、各教室前の掲示物や作品をじっと見たり、水飲み場に恒久設置されている全校生徒向けの大きな標語パネルを見上げたり。




中休みを終え開放図書室に戻ってきた一同は、ある掲示物を図書室の外ドアに掲示することに。
スタッフの寄稿と黒田さんの編集で、きのうひっそり製作していた、刷りたての『ほくとにちにち新聞』第1号です。

今日の一面(しかない)の見出しは、「いきなりアーティスト来る!」。
これはやっぱり事件です。どれどれ、記事を読んでみると……
黒田氏はアーティストを名乗っているが、まだ小学生の中で黒田氏の作品を見た人はいない。映像作品を制作するとのことだが、どんな作品が出来上がるのか?誰も知らない。聞いても決して答えてはくれないだろう。なぜならそれは黒田氏自身にもわからないから。アーティストの作品制作とはそういうものだ。
そういうものだ、と言われたらその場では、へえ、と言ってみることにして、後日「そういうもの」の真相を勝手に探りに行くとしても、きっとだれにも怒られたりしません。
ですからみなさんもぜひ、黒田さんにとってまだよくわからないそれを、一緒に探してくれたら嬉しいです。
新聞の隅っこに【情報求む!!!北都小学校に関する面白い話があったら黒田大スケに教えてください】と書いてありますし。
そのほか、新聞内には各種コーナーが充実。
シンガーソングライターのHIKARIさんが毎日即興で情熱的に綴る「今日の詩」。
詩や短歌が得意な舟迫あやさんが、スタッフや子どもたちの様子を瑞々しくとらえた「今日の短歌」。
私いがらしがめずらしげに北都小をうろつくヤマアラシの目線で書く「今日のコラム」。
コーディネーター漆は、子どもたちにぜひ参加してみてほしいアートイベントの広告を打っています。
そして新聞に花を添えるコーディネーター小林の「黒田大スキマンガ」のコーナーも、輝きを放っていますね。

さて、作業は資料読みに戻り……
昨日は写真アルバムをメインに目を通しましたが、今日のメインは校長室からお借りしてきた卒業文集。
文集のコンテンツのなかでも、黒田さんが特に集中して読んでいるのが「卒業文集」です。
多くの作文が、将来の夢や記憶に残っている行事、北都小学校で出会った学友たちとの思い出などについて書いていますが、黒田さんによる作文テーマの分析にもとづけば
「(開校)初期、70年代は”友だち”について書いている作文が多い。でも5期生以降くらいから、そういう文章はだんだんなくなっていく」そうです。
ところで、黒田さんは卒業文集にどんな作文を寄せたのでしょうか?
「ぼくの将来の夢は”琵琶湖でブラックバスを釣ること”って書きました。
夢が叶うのは早くて、その年の春には釣れました」。
12歳の若さで釣人のキャリアを順調に積み始めていた黒田さんでした。
ブラックバスのことを考えていたらお腹が空いてきて
今日の給食はカレーピラフです。
元気いっぱいの5年生の教室にお邪魔しました。



給食の時間が迫るにつれ、今日もじわじわ緊張に襲われる黒田さん。
一度に多くの人と初対面の挨拶をしながら食事する場は、おとなもうっすら冷や汗をかきますね。
でも生徒の皆さんが声をかけてくれて、いろいろとお話ししてくれたおかげで、今日も黒田さんは「(給食)美味しかったです」と少しリラックスした表情で給食から帰ってくることができました。
給食が終わると昼休みに入ります。
体育館へ向かう道すがら、階段を使って自主練するパルクール集団に出会いました。
「パルクールって、なんですか?」
校内で唐突に展開されるストリートに、黒田さん、意外とすんなり溶け込んでいます。


ストリートを抜けて体育館に入ると、昨日給食を共にした2年生たちが猛烈に駆け回っていました。
スタッフや黒田さんの顔を覚えていて「昨日の人だ!」「今日はどこで食べたの?」と話しかけてくれる人も。
思ったより早い段階で顔が利くようになった気がします。
皆さんよくみてくれているんですね。

こちらは、体育館からの去り際にぱっ!とハイタッチしてくれた子がいて、ほくほくする黒田さん。

子どもたちは今日も昨日と同じく猛烈に駆け回っていたわけですが、黒田さんは今日あらたに、彼らがどことなく行儀がいいということに気づきました。
担任の先生たちも一緒に遊びに参加しているからなんでしょうか。
理由ははっきりわかりませんが、とにかく黒田さんが小学生だった頃、昼休みはもっとヤンチャな時間だったそうです。
昼休みを終え開放図書室に戻ると、再び資料読みの時間。
(と、思いきや、HIKARIさんは作曲、コーディネーター小林は「黒田大スキマンガ」の執筆にいそしんでいますね。)

昔の卒業文集は直筆なので、文章やテーマだけでなく字もいろんな形をしているのがわかります。
「字、きれいになりたかったなと、ふとしたときに思いますよね。
役所に行ってきちんとした書類に記入しないといけないときとか」。
と、ここでHIKARIさんから、昨日から着手していた「リサーチソング」の完成のお知らせが。
タイトルは『リサーチ』。
なんと開放図書室でミニライブを披露してくれました。

「何をしているのだろう 知らない大人たちは」。
子どもたちの複雑な気持ちを想像する歌詞になっています。
皆さんもぜひこちらから聴いてみてください:
https://www.youtube.com/watch?v=cqZ-Pj05vXM

そしてこちらは
「黒田さん、これ、曲に合わせてゆっくりボックスステップ踏んでみてもらえますか?
ミュージックビデオつくるんで!!」
とノリノリなコーディネーターの小林。
隣で黒田さんが冷や汗をかいています。

こうして、素敵なリサーチソングの完成にテンションが上がった一同。
「じゃあ次は……怖い曲とかも、作れたりしますか?」
と、黒田さんの無茶ぶりも加速します。
おばけの話をしたり聞いたりするのが大好きな黒田さん。
でもとりあえず今日は、お手伝いに来てくれた成田さんと、
「おばけもこわいけど、最近はクマが一番こわい」という話で盛り上がります。
「小さい頃は、ぼく犬が怖くて、帰り道すごく警戒していました。
おとなになってもこうやって、別のものをおそれながら生きていくことになるなんてね……」。
話しながら本棚を観察していた黒田さん、「面白い本、みつけました」と、二冊の本を拾い上げてきました。

ダニエル・キイスの『24人のビリー・ミリガン』上下巻。
これも怖いといえば怖い、子どもの心理と犯罪の話です。
が、そういう理由で拾ってきたわけではないようで――
「ぼく、以前つくった映像作品で、『ビリー・ミリガン』に倣って24人分の役を演じてみようとしたことがあるんです。
でも思ったより大変で、15人目くらいで挫折してしまったんですけどね……」。
黒田さんの近年の映像作品に、実在した彫刻家などの役を順番に一人で複数人分演じて、即興でセリフを編み出していくシリーズがあります。
今回のおとどけアートでも、映像作品をつくろうかと考えはじめている黒田さん。
過去作品を思い出しながら、どんな映像にしようか、少しずつ考え始めているのかもしれませんね。
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以上、今日も資料読みの続きと、体育館ウォッチ、HIKARIさんへの作曲リクエスト、新聞編さん、などなど盛りだくさんな一日になりました。
ゆっくり過ごしているようで、意外といろんな作業をしています。