2025(令和7)年度札幌市文化芸術創造活動支援事業の助成を受けて、一般社団法人AISプランニングが実施する「アーティストの創作活動を支援するためのチームビルディング事業」の第3回合同会議を行いました。この会議はアーティストの創作活動支援プログラムに採択されたアーティスト4名(支援アーティスト)と創作活動支援人材育成プログラムに登録したメンバー(人材育成メンバー)が協力して実践的な活動を行うための作戦会議です。

- 第3回チームビルディング合同会議
日時:2025年11月30日(日) 13:00-16:00
会場:天神山アートスタジオ 交流スタジオA
参加者:12名(支援アーティスト、人材育成メンバー、AISスタッフ)
※当事業は令和7年度札幌市文化芸術創造活動支援事業の助成を受けて実施しています。
https://www.city.sapporo.jp/shimin/bunka/entaku/souzoukatsudou_2025.html
1.ランチ・ミーティング&人材育成メンバーの情報共有
ランチ・ミーティングを盛り上げるために、食品衛生責任者の資格を持つ人材育成メンバー舟迫彩さんお手製のメニューが並びました。舟迫さんが留学していたデンマークで教えてもらったレシピだそうです。
ご飯を食べながら情報共有の予定が、ただただ美味しくランチを頂く幸せな時間でした。美味しいごはんは人を幸せにしてくれます。

人材育成メンバー舟迫さんとお料理(を撮る…の図)
第1回合同会議の時は食べ散らかした写真しかないので、今回は記録にも余念がない
https://ais-p.jp/news/2025/10/07/godo01/

手元に取り分けたランチ(おかわり可の1回目)
・Tarteletter:鶏肉とアスパラのクリーム煮を詰めたデンマークの家庭料理
・ Smørrebrød(rejer og æg med hjemmelavet remoulade):エビと卵、自家製レムラードを使ったデンマークのオープンサンド
・Drømmekage:ココナッツのトッピングが特徴のデンマークの定番ケーキ(ケーキは写っていませんが…)
食事が終わってから、ゆるゆると人材育成メンバーの活動(当事業以外も含めた近況報告)を共有する時間を持ちました。今までは支援アーティストの活動共有がメインになってしまっていたので、今回は人材育成メンバーの近況報告から始めました。以下、発表順に内容を箇条書きでまとめました。
- 棚田朋子さん:月織堂店主。
・月織堂WEBサイト https://tsukiorido.wixsite.com/-site
月織堂の壁面で、支援アーティストの川崎乃佳さんの個展を開催中:ポストカードは完売のデザインあり。キャンバス作品も1点ご購入者あり。
12月ニセコ町での展示販売会に初参加の予定(作家3名、ひとりは川崎乃佳さん)。
2026年5月開催のアートフェスティバル閃の準備中。
・アートフェスティバル閃 WEBサイト https://hiramekituki.wixsite.com/site
2027年アート着物イベントを開催予定。オリジナルプリントの着物やリメイク着物のファッションショーと展示販売の準備中。
- 成田真由美さん:AISプランニングWEBサイトにて、支援アーティストの支援企画の報告と「見習い日記」(【人材育成】コーディネーター見習いの勝手な感想)を掲載。
・AISプランニング WEBサイト https://ais-p.jp/news/
アートカフェ⁺主宰。アートカフェ⁺は、オーディエンス(参加者)の感想をシェアする会。
・アートカフェ⁺の開催レポートはこちら https://note.com/narita_mayumi
Sapporo Culture Knot Week採択企画「札幌で先住民族アイヌを考えるマジョリティ・ネットワーク形成の試み」実行委員会代表。マイノリティが抱えされている問題はマジョリティの問題なので、自分達にできることを話し合う会。今後も不定期に開催予定。
・Sapporo Culture Knot Week WEBサイト https://x.gd/uNvgC
Sapporo Art Index「インディペンデントのスクール」参加。受講生で企画チームを組み、展覧会にまつわるイベント等の相談をしている。
・Sapporo Art Index WEBサイト https://www.sapporoartindex.com/page
- トマトさん:俳優。おとどけアート見学。
https://x.com/tomato_butai?s=21&t=PYaJpDinqzrguj3AKPeU2A
Sapporo Art Index「インディペンデントのスクール」参加。受講生で企画チームを組み、展覧会にまつわるイベント等の相談をしている。
・Sapporo Art Index WEBサイト https://www.sapporoartindex.com/page
コンカリーニョ20周年記念提携企画 パゥピーポォズ;「PATCHWORK」に演者として参加
・patos WEBサイト https://patos.concarino.or.jp/20th2026ppp/
- 舟迫彩さん:おとどけアート上ノ大作さん担当。東川下小学校で子どもたちと作成した絵が常設されている。支援アーティストの小松菜々子さんと上士幌町へリサーチに行く予定。報告はAISプランニングのWEBサイトで公開。
- ISOさん:おとどけアート小林麻美さん担当。元図書館司書なので、選書した本を持参している。報告はAISプランニングのWEBサイトで公開。500m美術館搬入のお手伝いに行った。
- 辻悠斗さん:写真作家。記録写真(展覧会、作品撮影)の仕事もしている。本日、初参加。
2.AISプランニング(小林)からチームビルディング事業の説明を改めて
チームビルディング事業は、アーティスト支援と人材育成事業の2本柱であることが改めて共有されました。人材育成メンバーでは、動ける人と動けない人ができてしまっているが、それぞれの事情もあるので、動いている人が良い経験をすることを重視しているとも。見学の機会などは積極的に作っていくようなので、参加できる方は小林さんに連絡すれば良いようです。
また、人材育成メンバーの有償無償の取り扱いなどの再確認もありました。有償で活動する場合は、AISプランニングWEBサイトに報告レポートを投稿することが必須となっています。どこまでの範囲で時給が発生するのかなどの説明もあるので小林さんに事前の相談を、とのことでした。同時に、人材育成メンバーは自分ができそうなことを探すことが重要だとも。

小林さんがおとどけアートの報告マンガを描いている自画像
小林さんの説明のあとには、参加者からの提案があったりと活発な意見交換ができました。数カ月とはいえ、合同会議だけでなく現場でも一緒に活動してきた連帯感ができてきたのだと思います。今回は、支援アーティストの活動報告だけでなく、人材育成メンバーそれぞれの活動(当事業以外も含めた近況報告)を共有することで、人と人のつながりとそこから広がる可能性を探ることができそうな時間を持てました。
今後の予定としては、12月20日「山田さんを迎えてハラスメントについて考えようの会」があります。参加者同士がハラスメント防止について考えられる機会になりそうです。こちらのイベントはSapporo Culture Knot Week実行委員会主催の「文化の現場の安全のために ──ハラスメント/ギャラリーストーカー対策の現状と実践」をベースとしています。当日の講演は、下記のリンクからYou Tubeで配信アーカイブが観れます。
https://docs.google.com/document/d/17m8k1sRpiXKR9McTb8AVuxq2NV8gzb0Kxs72Q4DdCpg/edit?tab=t.0
そして、約半年間の「チームビルディング事業」も折り返します。報告会は、2026年2月23日(月・祝)札幌市資料館で開催することが発表されました。
3.支援アーティストの活動報告
支援アーティストそれぞれがこの1カ月で活動したこと、これからの活動予定を共有します。なぜかプロジェクタが準備されていないので、みんなで代わるがわるノートパソコンをのぞき込みながらの共有の時間になりました。こんな風にわちゃわちゃ進んでいく感じも楽しいです。
3-1.風間 雄飛/Yuhi Kazama
https://www.instagram.com/yuhi.kazama/
- 「SURI-PRO」の途中経過
「SURI-PRO」とは、「刷り師として、様々な分野のアーティストの作品を版画作品に落とし込むことで、よりアーティストの作品の魅力を伝えつつ、版画の様々な側面を発信していく」という狙いのある活動です。現在二人のアーティストと協働しています。
小林大賀さん:リトグラフ制作を学びたいとのことなので、工程ごとの作業を覚えてもらっている。最終日に公開制作したい。
桑迫伽奈さん:銅版画の写真製版をやっている。正解がわからないので、失敗を重ねながら実験を重ねている。道外の作家とも情報交換しながら進めている。半分成功と言えるまではこれたとのことで、これからも調整しつつ進めていく。
刷りの作業の動画を見せてもらいながら、風間さんが「刷り」について解説してくれます。毎回「刷り」の説明が授業になるのですが、奥深くて楽しいです。

黒板で図解する風間さん
- 今後の活動予定
12月には、藤沢レオさんに招聘されて、札幌市立大学にシルクスクリーンを教えに行くそうです。藤沢さんとも「SURI-PRO」を進めていくことができそうとのこと。
3-2.川崎乃佳/ Nonoka Kawasaki
https://www.instagram.com/kawasaki.nonoka
- これまでの活動
11/4 吉祥寺プティット村 にて『川崎乃佳 にゃん展』:ポストカードは半分以上、原画3点販売
11/15 芸術の森アートマーケット出店
11/15〜11/30 『川崎乃佳 色彩の動物たち』@瀟洒珈房月織堂
11/21 チカホグランマルシェ出店
11/27 アート会ゲスト出演
11/29 モユクサッポログランマルシェ出店

月織堂での展示
詳細はAISプランニングWEBサイト 【アーティストの創作活動支援プログラム・川崎乃佳】活動記録②
https://ais-p.jp/news/2025/12/05/nonokakawasaki02/
- 今後の予定
12/9 チカホ3人展示販売会
12/10 ニセコ出展(人材育成メンバー棚田さんからのお声がけ):神獣の作品を出展
12/20 カナダ渡航 西海岸レイクカウチン(伊達市大滝区と姉妹都市)のLake Cowichan Municipal office(市役所)で行うことが決定
→ 初のクラウドファンディングに挑戦!
念願のカナダでの展示が実現するので、レイクカウチンの方々に、喜んでもらえるようにがんばっているとのことでした。また、2026年2月には、神獣を中心とした個展を開催しようと動いているとのこと。
3-3.桑迫 伽奈/Kana Kuwasako
https://www.instagram.com/kanakuwasako/
- これまでの活動
「SURI-PRO」は、月1,2回程度芸森の版画工房で制作中。原画とは違った腐食を効果的に使った作品、と写真を4版に分けて多色刷りにした作品を仕上げていきたいとのこと。
天神山アートスタジオに滞在レジデンスは、日常と隔絶させて「何もしない」ようにしていたが…。OPEN SUTDIOでは、「写真に刺繍をしてみる」ワークショップを開催。30分程度の作業内容だが、参加者のほとんどが2時間以上滞在していて、楽しそうで良かったとのこと。
天神山アートスタジオでのレジデンスやワークショップの詳細は、【アーティストの創作活動支援プログラム・桑迫伽奈】活動紹介②を。
https://ais-p.jp/news/2026/01/06/kuwasakokana02/
- 今後の予定
作品に関するアーティストトークではなく、裏事情みたいなトークをやってみたいとのこと。アーティストの金銭的なサバイブについての話とか、お金にまつわる情報交換会とか。合同会議の参加者からは、主催者あるあるとか、共同アトリエを持っている方から話を聞いてみたいという意見もありました。

ワークショップの様子
3-4.小松菜々子/Nanako Komatsu
https://www.komatsu-nanako.com/
- これまでの活動
秋元さなえさん、櫛引康平さん、人材育成メンバーの磯田さんと三笠方面へリサーチに行ったとのこと。小松さんの先祖には鉱山関係者の方もいるそうなので、炭鉱もリサーチ候補だったそうです。三笠市や江別市での盆踊りのリサーチも充実していたそうです。

江別市野幌公民館にある子ども盆踊り唄の歌碑
人材育成メンバーの成田さんがコーディネートして、豊水地区万灯保存会の池田健次代表、渡辺義人さんから北海道神宮例大祭神輿渡御と暮らしについて聞き取り調査も行ったとのこと。「祭りは文化」という信念が響いたとのことでした。
他にも、支笏湖から小樽市へリサーチに行ってきたそうです。小松さんのご先祖が千歳市水明郷で暮らしていたらしく、王子製紙工場の発電所や軽便鉄道跡地を見学し、小松家と関係の深い小学校の跡地を偶然見つけたりと大きな収穫があったようです。そして小樽市は小松さんのルーツに関係する地域なだけでなく、北方舞踏派が活動していた地域でもあり、神戸の故大谷燠さんも関わっていた海猫屋があり、小樽市立美術館で開催していた「海猫屋の時代」も観てきたそうです。
4.今後の活動と番外編
- AISプランニング小林より
支援アーティスト個別に話を聞く会を設けるとのこと。こちらも人材育成メンバーも参加可なので、日程が決まり次第共有するとのことでした。
どうすればハラスメント被害を防げるのか?は、今後も継続的に話し合いたいとのことでした。2月23日の報告会についても、みんなと相談しながら内容を進めていくことでした。
- AISプランニング漆代表より
アーティストの支援をしながらどのようなチームビルディングができるのか、そこに新しい可能性を作っていきたいとのことでした。何をもってチームビルディングとするのか?を考えて行ければ良いので、今後も積極的な参画を期待してます、とのこと。
- 展覧会鑑賞(番外編)
その後、希望者数人でギャラリー創での個展へ。「磯 優子、菊池さくら ふたり展『海潮音』」は、個人の作品と共同制作の作品があり、それぞれの作品が持つ物語が、語り合い響きあうような優しさに包まれた空間でした。
会期終了日の閉館間際でしたが、アーティストのおふたりと、ギャラリー創ディレクターの本庄千晶さんにもご挨拶をして、ギャラリーを後にしました。
- ギャラリー創 WEBサイト http://sou.agson.jp/

菊池さくらさんの作品

磯優子さんの作品
その後、川崎さんの作品が展示されている月織堂へ。そして夜は更けてゆくのでした。

月織堂のカウンター