皆さん、怖い話はお好きですか?
私は苦手です。
今回は、天高く馬肥ゆる10月を天神山で過ごした、ホラー・マニアのアーティストをご紹介します。
ジョーダン・バリー=ブラウンさん(Jordan Barry-Browne)。
彼の手にかかれば、いたってふつうの展示設営風景も、念入りなハロウィーンの準備風景にみえてきます。
ジョーダンさんは2019年に、欧米のコミックや日本の漫画、そしてヒップホップ・カルチャーから影響を受けたILLstripというブランドを設立。
オリジナルのコミック・シリーズ『コズミック・スロップ』(Cosmic Slop)を刊行したり、オリジナルプリントのTシャツ、ポスターなどを制作販売してきました。
そんな彼の作品世界に最近新しく加わったのが……
妖怪(Yokai)です。
今回ジョーダンさんは、妖怪にまつわる文学作品や漫画作品のリサーチのため来日。
さっぽろ天神山アートスタジオを含むいくつかの都市で、イラストレーション制作や古書店巡りに励みました。
そしてさっぽろ天神山アートスタジオでのレジデンス終盤には、個展『怪談 / Kwaidan』(2024年10月27~30日、さっぽろ天神山アートスタジオ1階展示スペース)を開催しました。
この展示は、小泉八雲の怪奇文学作品集『怪談』(1904)の収録作品にイラストレーションをつけるプロジェクトの経過発表という位置づけ。
「耳無芳一の話」「ろくろ首」「雪女」などいまや怪談の定番ともいえる数々のお話が、ジョーダンさんのコミック・イラストによって生き生きと語られていきます。
展示のオープン日、10月27日(日)には当館のイベント「アート&ブレックファストDay in 天神山」でお話をしてくれました。
最近取り組んでいるYokaiシリーズや、今回の展示のこと、好きな妖怪のこと……
常連の松尾さんが朝食会のために準備してくれたYokai海苔巻きも傑作でした。
天神山でのYokai月間を終え、また日本のどこかへYokai探しに出かけていったジョーダンさん。
実は天神山アートスタジオに置き土産をおいていってくれました。
1階ライブラリー内の『滞在アーティスト選書!Jordan Barry-Browne』コーナーです。
今回の展示で大きく扱った小泉八雲に加え、妖怪全般や、日本のちょっとこわい名作漫画などに興味がある人におすすめです。
開館中はいつでも手に取っていただけますので、お気軽にどうぞ。
ジョーダンさんも気が付いたらまた天神山に出現するかもしれませんので、気長に待ちましょう。