天神山滞在ブログTenjin_blog

[レポート][Report] Art & Breakfast Day Online - July

2020/07/26

天神山の第三日曜日は、おなじみアート&ブレックファストデー

 

 

2020年度は、遠隔でも天神山アートスタジオ内からも参加可能な、オンライン形式です。

 

 

7月19日は、香港に住むアーティストが参加してくれました。
”ヘーゼル”・ウォン・メイ・インさんと、チャン・マン・チュンさん(画面左下)です。

 

 

アーカイヴこちらから!

 

 

おふたりは2018年に天神山で滞在制作を行い、成果発表として『行ってきます』という展示を開催しました。
滞在の様子はこちらから。

 

香港で育ち、今も故郷を活動拠点とするおふたり。香港に特別の思い入れを持ちながら、天神山アートスタジオやアイスランドでの滞在制作も行ってきました。

 

 

(↑ 滞在時に成果展のポスターにも使われた、ヘーゼルさんのペインティング。現在、天神山アートスタジオ事務所の一番高いところに鎮座しています。)

 

ヘーゼルさんは、イラストレーションやペインティング、そしてオリジナルのzineなど出版物を制作しています。故郷・香港はヘーゼルさんの全作品に通ずるテーマで、香港の人々の暮らしを第三者の目線から観察し、記録するという手法をとってきました。レジデンスで訪れた天神山やアイスランドでも、現地の風景や人々の様子を写真から描き起こしました。ウェブサイトには絵の下調べとして撮影された写真も掲載されていて、瑞々しいまちの一場面が垣間見えます。

 

 

 

(↑ 『シェルター』というインスタレーション作品のためにチュンさんがつくった木製木の葉。今も天神山アートスタジオにひっそりと生息中。)

 

チュンさんは、彫刻・インスタレーション作品の制作や、展示のキュレーションをしています。帰属という感覚と、そこから生まれる安心感や平静を表現してきました。たとえば、いろいろな宗教で信徒に安心感を与えているものを調べ、共通点として挙がってきた「光」や「色」の使われ方、「偶発的な出来事への関心」を作品に取り込んだりしています。6月に、ご自身も出展したグループ展のキュレーションをしたばかり。最新作のお話も伺いました。

 

 

 

さらに、アーツ・リビング・スペースco. ikiとして「“Creativity from HOME” 家からはじまる芸術創造」を実施中の根上陽子さんにもご参加いただきました。こちらは、世界各地のアーティストが自宅・スタジオからオンラインで参加するリモートレジデンシープログラム。香港のアーティストも参加されているとか。Zoomなどを通して、アーティストを交えた対話型イベントも次々開催されています。要チェックですね。

 

香港では、激動の政治情勢のなか、さまざまな分野でアーティストが表現活動を続けています。美術館やギャラリーでの展示だけでなく、ヘーゼルさんのセルフ出版のように、クリエイティビティを発揮する方法や場面もどんどん拡張しているようです。今後の展開にも、目が離せませんね。

 

番外編:

 

 

庭プロジェクトで絶賛成長中の作物たち、なかには収穫時期を迎えたものも。
こちらは先日”さずかった”ミニトマト。天神山スタッフがアトブレでおいしくいただきました。

 

次回のアート&ブレックファストは、8月16日(日)。

ヘーゼルさんとチュンさんが話す広東語で、「おいしい」は…「ホウセッ」!
8月も、ホウセッな朝ごはん片手に、アートや地域のあれこれを持ち寄りましょう。

参加方法等は、追ってお知らせいたします。

 

それでは皆さま、次回もお楽しみに!

(五十嵐)