札幌xミュンヘン姉妹都市交流AIRプログラム アートマテリアルのリサイクルセンター『周活/しゅうかつ』のレポートです。
1月23日にSCARTSでトークイベントが行われました。現在開催中のSIAF2024のディレクター小川秀明さんをゲストにお招きし、treibgutと「周活」について議論が交わされました。
小川さんはリンツのアルスエレクトロニカを中心にシビック・クリエイティブ・ベース東京など様々な活動を行っています。
その中で、教育という点に力を置いている小川さんですが、今後、「Futures Fluency」という資質が重要になると考えているそうで、この点にtreibgutと共鳴する点があると仰います。
小川さんは「Futures Fluency」とは、「心の持ちよう」についてであると述べます。社会が高度に複雑化し、リテラシーを習得してもそのリテラシーが全く必要ではなくなることが往々に起こりうる中で、必要とされるのは社会や技術の変化に対応するための基盤、つまりは柔軟な「心の持ちよう」であるそうです。SIAF2024では芸術祭を学校に見立て、多くの市民参加プログラム、教育プログラムによってその「心の持ちよう」に変化を促しています。
では、この「Futures Fluency」がtreibgutの活動のどの点に共鳴するのでしょうか。彼らは環境問題に対して資材循環という方法で取り組みますが、彼らが主眼に置いているのは直接的・技術的な効果としてのゴミの削減はもちろんですが、むしろ、人々の心に資材を転用することの楽しさや物を作ることに対する姿勢など「心の持ちよう」に対してアプローチすることです。彼らはそれこそが、環境問題を解決・改善するための基盤となる「心の持ちよう」を形成することにつながると言います。「心」を重視する点が共通するテーマであるようです。
ファンディングの話も。treibgutは自主財源とミュンヘン市から支援によって運営されており、アルスエレクトロニカもtreibgutと同じくらいの自主財源と公的資金の割合で運営されています。文化芸術に携わる人・組織にとって、お金の話は難しい問題として、しかし対峙しなくていけない問題として存在しています。SCARTS という場で市民、行政、アーティストを交えてこの点について議論するのはスリリングでありながらも、難解な問題を解決するための一歩になったような気がします。
◆オープニングパーティー/OPENING PARTY
日時:1月27日(火) 17:00〜(23:30終了予定)
場所:さっぽろ天神山アートスタジオ
プロジェクトメンバーのバスティさんと札幌のレコード店で出会った友人たちによるDJ、滞在アーティストによる倉庫を使ったパフォーマンスと展示があります。同日、スタジオ外では滞在アーティストのTHE ICEMANSさんが展示と屋外サウナが行われます。
是非おこしくださ~い
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KS