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【おとどけアート】札幌市立本通小学校× 小林麻美 活動ブログ04

おとどけアート2025  本通小学校×小林麻美さん   ブログ

明るい「学校の七不思議」たより④

 

「あっち」ことアーティスト小林麻美さんの、おとどけアート4日目の活動模様は、午前中の二つの流れ「すきなことばあつめてます」のハコから回収した言葉から新たな言葉の糸へ紡ぎ直しと、あっちの「キットパス」を使った中庭の窓のガラス絵…「まどクレヨン」で見つかった謎。午後はあっちの小林一家が開発した新たなハコ、青いお屋根設置の構想。コバヤシマンガ連載中、など。

926日は本通小学校は秋の遠足。おとどけアートはおやすみして、10月3日、本通小学校のおとどけアート4回目。

 

アトリエにて

チームコバヤシ先発隊のあっち、コーディネーターの杉本直樹さん、本日のゲスト「PROJECTA」の長谷川宏美さん、アートコミュニケーターの三宅美緒さんの4名が、こどもたちの「すきなことば」をハコから出しているところに到着。

初沢ひかりさん、あっちと相談して、さっそく言葉の仕分けに参戦。

形容詞、名詞、文章になっているもの、よくわからないものたくさんの色々な言葉がテーブルの上に散らばっていたのを、少しずつ吟味していく。すてきなことばの中に目についたのが「うんち」や「ちんちん」など同級生の女子が「きゃー」って嫌がる言葉。大人に言っちゃいけない、と言われると、なぜか言いたくなるからなのか。

「じじい」というのもある。ジジイが「すきなことば」なのかーい、と仕分けをしながら笑いが起きる。言わなくなってくる幼児語とも言える「うんち」や「しっこ」(男の子はたぶん「ちんちん」、そしてハコには入っていなかったが「おっぱい」も)  親子のあいだで自然に覚えた「やわらかい」言葉が、ある日「他の人に言ったら恥ずかしい」「人前では使っていけない言葉」になっていく。代わりに漢字の熟語二文字や隠語などに言い換えて、言葉が増えていく。ブリューゲルの絵の子どもたちのように、「うんち~」と突っついていられるなら、楽しい子ども時代を過ごせている証かもしれない。

 

 

中庭前の窓辺/中庭前の廊下

中庭に面したホールの「あっちのコーナー」に行ってみると、窓ガラスに、「おとどけアートの日10月3日」

あっちがどうやって描いているのかというと、水で消える「キットパス」というクレヨン。これなら、終わったらすぐに消せる。

「雑巾で子どもたちと最初に掃除して、それから描こうと思っていてあ!こっちの方が……」あっちは、陽射しが入り込んで来る西側の窓の方へ。

雑巾で一拭きしてサッと箱から一本のクレパスを取り出すと、試し描き。窓ガラスにシュルシュルシュッとクリーム色の線を描いていく。

右上から隣の一枚へ。その隣へと、綺麗な線の影がうっすら廊下に現れる。床にあたる光を見ながら、窓の上の方から斜め下へ。太陽の光線の角度を感じる線を、とらえて描いた。あっちの「見えないものを視る力」。

雑巾で拭いていると、意外に窓が大きくて上まで手が届かず、脚立が必要になった。

まずは職員室の先生にお借りできるか確認。ちょうど通りかかった5年生の猪俣先生に聞いて、今度は用務員の中島さんを探して、脚立をお借りする。

「脚立は高いのと低いのとあって、低いのも下の方のこのボタンを押せば脚の高さは変えられるから」丁寧に使い方を伝授。「ちょっと斜めなのでありがたいです」あっちが言ったことばを聞いて、職人的勘が働いたのか、脚立を運ぶ先まで来てくださった。「ここは旧校舎と新校舎の繋ぎ目なんだけど、スロープになってるから……普通、学校の廊下って段差なんてないでしょう。大体このくらいかな」中島さんはそう言って脚立の脚を調整すると、また仕事に戻って行った。

たしかに、ほんの少しの傾斜。だから手すりがあったのか。

「イソちゃん、にぶ過ぎ」とあっちに言われそう。けれど、気にしなければそのままにしてしまいそうな、旧校舎と新校舎の繋ぎ目の謎!

繋ぎ目でお絵描きとは、あっちの作品と重なって面白いというか、これは本通小のなぞに認定できるのでは

時間の裂け目の不思議、あります!?

あっちは急いで脚立に乗ると、雑巾で窓の内側を拭いていく。中休みになる前に。

 

杉本氏が一眼レフでパシャリ。「ここにいたんですね。」あっちの絵を見ると、キラリとメガネの奥の眼を光らせる。中庭側と反対の玄関の見える側も綺麗に拭いて、中休みが始まった。

 

「ちょっと描いていかない?」

廊下を通りかかる子たちをあっちが誘うと、「お絵描き」の時間が始まった。さっそく子どもたちが描いてくれる。初めはおずおずと。「落書き」はダメ、という子も。

そして教頭先生が「らくがき」を始めると

子どもたちも足を止め、ちょっとひと描き

子どもたちの何人かに「落書きはダメ」と言われたので、休み終了直後に通りかかった先生にその辺について訊いてみたら、どうも過去に新校舎の壁に落書きをした子がいたらしく、それ以来「落書き」禁止が固く守られているそうだ。

新しい、何も無いところにかいてみたかったか、いたずら心で書いたか、言いたいことがあった本通小のバンクシーになりたかった子なのかな。落書きか、そうで無いかは、たぶん見た人によって決まる、一番厳しい出品方法かもしれない。

落書きではなくて「楽描き」したいときは、描いて良い場所か確認。描いて良いか聞いてみること。窓割れ効果にしないためには、みんなで整えて、自分の大切な場所にしてもらう。ルールをしっかり設定すること。

どうやって絵が「うまくなる時間」を作るかやっぱりどこかで隙間時間と隙間の場所を見つけるしかないのだろうか。

中休みの途中、中庭前を通りかかった杉山先生が…「あら、うちの子たちアトリエの方に行ったと思ったら、ここにも」窓のらくがきに参加している子どもたちを見つけておっしゃった。

 

 

アトリエにて

どうやらアトリエに向かった流れの子どもたちもいたようなので、急いで覗いてみると、ひかりさんと子どもたちが「すきなことば」のこと、お話していた。どんな話が出たかな?

 

杉山先生がやって来て、アトリエ「多目的ルーム」で発表会の練習をする旨を打診。4時間目に、いくつかの学年で発表会の練習があるらしく、一年生がこちらで練習をする、とのこと。

 

ひかりさん、床の上から急いで「すきなことば」を拾い上げていく。

 

中庭前/中庭前の渡り廊下

ふたたび、中庭前の廊下へ。パステルカラーの線が光を浴びて、イレギュラーな楽しいお絵描きが終わっていた。視線を変えるとちょっと校舎の壁に「落書き」したようにも見えるけど、中庭に出たら消える、らくがき。

 

そして、なんと、教頭先生のマンガ!?

旧校舎と新校舎の繋ぎ目で白い太陽に照らされて手を振っているのは、もしや「ぽんちゃん」「ぽんくん」に続く、本通小学校を見守るゆるキャもとい座敷童子じゃなくて、守り神「とおるくん」…いや、令和だから「とおりくん」かも。

誰がつけてくれたのか「とおりくん」の下の方に「まどクレヨン」と、すてきなタイトルが。

この時間にぴったり。あっちに聞いてみよう。

 

 

アトリエ「多目的ルーム」にて

雑巾を取りに行くと、ひかりさんが一人床に広げた「すきなことば」を拾い上げて、ホワイトボードへ。

 

中庭前/中庭前の渡り廊下/中庭

外の窓ガラスの汚れが気になってしまう。やはり絵を描く画材は美しくなければ、という話になり…

 

杉本氏が雑巾を持って脚立の脚に養生テープを貼って、中庭へ。

見上げると、抜けるような青い空が真四角に切り取られる。  中庭に出たら、「とおりくん」(仮称) は見えないけれど、気になってしまう、新校舎と旧校舎の繋ぎ目。屋上の屋根、青いんでしょうか

 

 

まだまだ強い陽射し。気温は27度。まだ殻が青く種がはじけていない朝顔の鉢を壁面から離して脚立を窓際に立てると、杉本氏は窓を拭いて行く。 内側と外窓の下の方は、三宅さんと長谷川さんが拭いて、三者、窓拭きレースとも思うほど素早く吹き上げていく。

すると、授業の移動中の子どもたちが足を止めて「らくがき」に参加。

 

みんな思い思い「描きたいもの」を描いている中で、こちらを見てニヤリ、と笑う一人の男の子。何を描き始めたのかな、うんちをかいて下向きさんかくを描いたら…あっという間に「ソフトクリーム」!隣にはやっぱり…?

「ふー、暑いですね。帰りに銭湯に寄って行こうかな。ここに来る途中銭湯見かけたんですよ」 黒いシャツで来たことを後悔している杉本氏が、額に大粒の汗を浮かべながら雑巾拭きを終えて脚立を下りて来た。

 

ふたたびアトリエ「多目的ルーム」にて

中庭から戻ると、アトリエでは「すきなことば」を拾い上げて、ひかりさんとあっち、二人して腕組みしながら思索中。ことばが、詩に

そうしているうちに子どもたちが杉山先生に連れられてやったきて、発表会の練習が始まった。 子どもたち、ついつい見ている人の方に気を取られてしまうので、小林氏とひかりさんを残して、アトリエを後にする。

 

体育館にて

再び中庭前の渡り廊下で描いていると、アコーディオンを持って素早く移動する見覚えのある5年生の姿をあっちが目撃。急いで追いかける。

体育館では5年生の子どもたちが、真ん中に立っている先生に聴こえるように、劇のセリフをいう練習をしていた。

台詞の紙を持っていない子もいて、

「セリフの紙、無くても大丈夫なの?」あっちが尋ねると、

「大丈夫。全部覚えて来たから。」

お腹すいて来たけれど、もう一踏ん張り。おなかから声を発する。体全体を使っての声の出し方、できるかな?

 

体育館に「本通小 あったか言葉」の文字。

どんな言葉が「あったか言葉」に挙げられているのかな。

 

 

玄関前の廊下にて

玄関前の、落とし物ボックス。どんなものが落とされて、忘れられているんだろう。鉛筆にシール糊にハサミに小さな物を発見。「ハコを使って募集したい“小さいもの博”のヒント、どこかに落ちていないかな…」と、あっち。

 

ホールを通ると、太陽が動いて、陽射しが床に降り注いで、絵が浮かぶ。中休みに描いていたあっちの光の線が、太陽が動いても跡を残している。

あっち、指でそれをぼかして、後ろからガラス絵に映り込む階段をなぞって、今度は「青い」色のテープがのびて、「青い」クレパスを上から重ねると、「青い」重なりが浮かんできた。

1211分。ひかりと時間と、混ざっている、複雑な「あお」。

私たちの認識は、誰かに教わったもの。みんなと同じ「青」は大事だけれど、とらわれ過ぎてもいけない。太陽が赤、オレンジ、白、緑人それぞれ感じる色が違うように。

 

 

アトリエにて

アトリエにあっちが戻ると、ひかりさんの言葉の作業が終わって、ホワイトボードに文字が溢れて、台詞のようになっていた。

 

給食と共に、休憩。しばし思考を緩める。今日はあっちからの差し入れのキャラメルとチョコレートのパンと、ひかりさんが一昨日訪れた白老の旅…ルーツ&アーツしらおいの土産話と共に、ランチとティータイム。

本日持ち合わせていた本は、要らないもので作った家が印象的な「北の国から~五郎のエコロジーライフ」(倉本聰監修、エフジー武蔵)、「百鬼夜行絵巻を読む」(小松和彦・澁澤龍彦著、河出書房新社)、「昭和レトロ絵描き歌」、縮小複製巻子本「清明上河図」(河南美水出版社)など。

 

旅の話ってどうしてわくわくするんでしょうね…

発表会の練習で子どもたちはいよいよ忙しいなるので、昼食後、多目的ルームから2階の「相談室」にアトリエを移すことに。

 

 

午後の、アトリエ「相談室」

幕…「青いお屋根」の設置方法の方法の模索と、裏紙の仕分け、ハコガチャの完成を目指す。。。

午後早い時間に帰られた三宅さんと入れ違いに、画家のオイカワさんがチームに加わる。

これまでにみんなで作った「青いお屋根」は、現在2枚。これをどのように上から吊るすか、相談。隣の部屋からのぞく背の高い地図を掛けるハンガーが注目の的に。これを支柱にできないか、ハンガーをお借りして、屋根を貼り付けてみたり、黒板の上につけてみたり。

あっち「考えてもまとまらない時は、とにかく手を動かして、やってみる!」

 

屋根を補強し、支柱につけてみる。重さを支えるのに、屋根の軒を支える棒のようなものはどうしても必要なので、あっちがまた宿題として持ち帰って考えることに。

 

子供達が下校したのを見計らって、雑巾を持って、一階の中庭前の窓へ。

 

あれほど差し込んでいた陽射しは、もう中庭の新校舎と旧校舎の隙間だけに。

子どもたちの楽しい絵、教頭先生の「とおりくん」(仮称)の「まどクレヨン」も、もうそろそろで元の窓ガラスに。

名残り惜しいですが、雑巾でひと拭い、またひと拭いと消して、現状復帰。

 

貸していただき、ありがとうございました。

窓にお絵かきの諸注意と予告を残して、アトリエ「相談室」へ。

 

せっかくオイカワさんが来てくださったので、ハコガチャの完成に参加。

味わいある装いに。

仕掛けはあっちの家族が考えて作ってくれたんですって

回すと、ハコの下の穴から「青い」カプセルが出てくる仕組み。

どんな風に使われるのか、楽しみだ。

 

 

遠藤先生が見えられて、小林氏のおとどけアートのマンガが描き上がったので、校内掲載に行くのについていくと、職員室までの超最短ルートを教えてもらう。先生が放課後「上の階からパッと消えて職員室前にパッと現れる謎」がとけました。

 

校内2箇所にコバヤシマンガを掲載して、ハコも完成したので、本日のおとどけアートは終了。

あっちが小林家で開発したハコガチャ(仮称)の登場は次回以降。次回はどんな内容になるか?

 

 

本日のチームコバヤシ

小林麻美、長谷川、三宅美緒、オイカワ、

小林亮太郎、杉本直樹 初沢ひかり、ISO

 

本日のかわらばん(感想)