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【おとどけアート】札幌市立栄西小学校 × 秋元さなえ 活動ブログ15

おとどけアート in 栄西小学校 「アトリエ*サカエニシ」の見学記/11月22日

isoです。

本日のアトリエサカエニシは、学習発表デー前日。。。秋元さんの展示発表の前日です。本日の活動メンバーは、秋元さんと、ゲストに櫛引さん。コーディネーター側からは小林氏、そしてisoの4名。先週15日の段階で秋元さんは大体の展示構成を決めて、昨日写真に収めたものを送ってもらって、こんな感じにしたい、というイメージを共有。制作も展示の設営も全てこなす秋元さんをサポートするのが、今日の活動。控室にて、まずは展示するものを確認。

栄西小学校周辺を歩いた時に持っていた地図と、測量地図、教室の測量、アトリエサカエニシの活動記録が並ぶ。

 

アートスペースでの展示の時の秋元さんは、活動したものを最終的に本にして残すのだそうですが、今回まだ活動が終わっていないので、完全には綴じない形の本の形にすることに。活動中に撮った写真を何冊かに分けてタイトルを付けて展示して、見たい人に手に取って観てもらう、ということに。これからタイトルが書き込まれるのを待つ本たち。

どんなタイトルが付くのかな。。。

 

そして、リバーネームのインタビューは映像で流すので、映像と機器を確認。

櫛引さんがインタビュー映像を編集して30分ほどの作品に。

 

一階ホールの廊下部分の展示会場にさっそく設置に向かいます。

 

すでに壁面には大きな写真パネルが。先週、あまり寝ていないはずの秋元さんが遅くまで残って頑張っていたのがわかる。

アトリエサカエニシの活動を載せていたパネルボードも展示に使うので、活動日程を外します。

 

本日は14回目。

学校で貸していただくのはアトリエサカエニシの用の最初のボードの他は、パネルボード二つとホワイトボード一つ。テレビと机が二つ三つ。
玄関脇の柱を境にこちら側がホール、向こう側が川のような体育館へ続く廊下で、展示スペースとなる。そこをパネルボードを使って塞ぐ。

 


ホールが大きな水の溜まり場だとすれば、このボードの境目で一つの川、リバーネームの映像の流れる行き止まりは、さながら水の湧く“川の口”のよう。体育館という子どもたちの水源と、途中で合流して、玄関へと続く。

 

秋元さん、さっそく設置イメージの場所にスケッチをスケッチブックから広げて選んで

貼っていきます。

 

壁面が硬くて鋲が中々入っていかず、意外と時間のかかる作業でした。

 

作業をしていると、あざぶ・ふしみいなり先生がいらして、当日の学習発表の流れと、ホールの人の流れを教えてくれました。ホールの真ん中には子どもたちの図画工作や習字の作品のパネルボードも並んでいて、玄関から二本の川の流れ。

ここから当日のお客さんがやってくる。コロナ禍後の子供達の行事は、他学年同士のバッティングを避けてひと学年ずつ行う学校が多い。栄西小学校でも学年ごとに保護者が待機して、他学年の終了後次の学年が帰ると体育館へ入れるという流れが取られている。今年は、展示スペースありきの人の流れを、先生方が考えなければならない。悩んでる感じが伝わってくる。なんだか嵐の予感がします。

小林氏と櫛引さんは、リバーネームインタビュー映像の機材の設置と、学校中の身体スケールを剥がして、体育館までの廊下に集中して貼って行く作業を。

 

 

isoは、作って来たリバーネームのポストを設置。


拾ってきた40条公園の葉っぱを葉書にすると乾燥して扱いが難しいので、カラーコピー機で葉っぱを印刷して秋ちゃんと二人で切り抜いた。それを「葉書」にして書いてもらうことに。

さっそく子どもたちが見に来ているので、説明してみると、深い意味は伝わっているかはわからないけれど、名前を書いてポストへ投稿してくれた模様。

 

「これって、そこの40条公園よね?」

明日の学習発表デーのボランティアのPTAのお母さん方が、壁の大きな写真を見ながら秋元さんに話しかけてきた。秋元さんがお届けアートの話と図画工作の授業で3、4年生の子どもたちと制作したり学校の中で測量した話をすると、「どうりで、うちの子が何かやってるんだと言っていたんだけど、何をしているのか、お便りとかはなかったのよね。うちは6年生だけど、知っていたらうちの子たちにも関わって欲しかったわ」とおっしゃった。

 

栄西小はオープンな感じのデザインの校舎なので、他のクラスや学年が何かやっているのは見えるけれど、その中へ積極的に能動的に飛び込むというのは、年齢が上がると難しいのかもしれない。一人目が線を越えることができると、追従して行けるかもしれないけれど、その二人目になるのも勇気がいる。だから、学校の先生に言われて、という方が楽かもしれない。「あいつ、あんなのが好きなんだ」と言われるのが恥ずかしかったり。短い休み時間に友達とのおしゃべりに忙しかったり。昔クラスに数名もいなかった中学受験生も、今の札幌にはびっくりするほど私立の中学校もできて、そういうところを目指していれば、騒々しいと感じるかもしれない。

多様性、と言われるのに、はみ出すなと言われて、遊ぶなと言われる。遊びを見つける、発見をする、居場所を見つけるアンテナを働かせる、というのは意外にエネルギーを必要とするけれど、マイナスな気持ちになるのをプラスのエネルギーに変えられるようになったら、「つまらない」の詰りから抜け出せるかもしれない。

学習発表会の会場の準備をしていた若い先生たちから、玄関口からすぐのパネルボード一枚分の展示会場のスペースを開けて欲しい、という要望が。学習発表デーの保護者が待機するのと同時に、せっかくの展示を観てもらおう、ということらしい。ボードを体育館の方へずらして一枚目分スペースをあけた。そして、同じ縦並びで子どもたちの授業で制作した作品のパネルが。その後子どもたちの作品パネルボードもあっちへ行ったりこっちに行ったり、という感じで移動していた。最終的にホールも真ん中に展示と並列する感じで落ち着いたようだ。

 

「ちょっと予定と変わったけど、メインはあくまで子どもたちの発表なので」自分の立ち位置はブレないように。とにかく今は今日中に設営を終えることが目標。秋元さん、黙々と作業。

控室に戻ると、小林氏は秋元さんの紹介漫画を描いていた。アシストは、櫛引さん。


前回のお届けアートでの音のアーティストとしての参加から一転、映像編集、会場設営にマンガのアシスタントと、大活躍の櫛引さん。小林氏がペンを走らせ、櫛引さんが色をつけていく。

 

一枚目、完成!


「明日、私は来られないので、これが終わるまでは帰れません」普段焦らない小林氏が、少しだけ焦り気味。

 

給食を急いで済ませて、すぐに押し葉の設置に取り掛かる。天井から吊るすように、テグスを張り、校内を痛めずに撤収時も簡単に取り外せる形で張っていきます。とにかくテグスを張って押し葉を吊るしていかねば。。。。


秋元さん、櫛引さん、isoの3人でなんとか1時間半かけてそれらしく見える数の押し葉が吊るせました。

 

 

途中、あざぶ・ふしみいなり先生が様子見に立ち寄ってくださって、玄関脇の展示のパネルが移動しているのを見て、いつもは優しい先生が、珍しく先程の若い先生を叱った。ものの位置一つで、一動作で、その空間が美しくも、醜くも見える。

「アーティストの人が作った空間をどうして簡単に変えるのか」
生活の中の美しさを教える人の背中に、美しさを見る。柔軟に考えるとはどうするべきなのか。どうするのが最善なんだろう。

「私はどちらでも良いんです」目が合うと、小声で答える秋元さん。色々な優しさが交差する。

16時15分過ぎ。映像は準備OK。本も、展示用ボックスの大体の準備が整って、パネルボードに貼るのを待っている状態。櫛引さんがカメラを水準器に水平を確認


同じ高さにボックスが並ぶと、いよいよ展示の完成に近づいてきているように感じる。
「一度体育館からこちらに向かって歩いてきて展示会場がどんな風に見えるか見てください」
手が離せない秋元さんの代わりに動画を撮りながら体育館からの帰り道を歩いてみる。

 

 

三角コーンと誘導用のバーに塞がれた展示会場。バーを乗り越えて展示スペースに入る。振り返ると三角コーンが目立っている。

体育館から戻る流れでは、展示のスペースには辿り着けない。。。。!

人の流れは、もう当日の人任せで。なるようにしかならない。

無事完成した小林氏の秋元さん紹介マンガを、どこに貼るか。二転三転したパネルボードの一画に乗せてみるが、小林氏、ピンと来なかったのか、「まあ、ここでも良いですけど、明日どこか貼る場所を見つけてください」とのこと。

17時15分。この日はここまでで終了。

 


校長先生がちょうど様子を見にいらっしゃって、玄関に向かいながら明日の打ち合わせ。当初の23日が最終日というのを、明日の学習発表デーから一週間ほど展示を残してもらい、子どもたちがゆっくり観られる時間を作って、展示最終日にギャラリーツアーをして、解説して欲しいという子どもたちと過ごすという形に決定した。明日朝7時45分には会場の準備で先生方もきている、ということで、秋元さんもその時間に合わせて登校して展示の続きをすることをお知らせして、下校。

全ては明日の早朝に。

※このブログは弊社(一般社団法人AISプランニング)が実施しているコーディネーター育成プログラム参加者が書いています。

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