おとどけアート in 栄西小学校 「アトリエ*サカエニシ」の見学記/10月10日
コーディネーター育成事業受講生isoです。
10月10日のアトリエサカエニシは、ゲストがたくさんの中での開始となりました。今回のゲストは、秋元さん側からはアーティストの櫛引康平さんと小林麻美さん。
櫛引康平さんは昨年のおとどけアートで中の島小学校で活動されて、秋元さんが中の島小学校でゲストとして参加したご縁で、今回は櫛引康平さんがお手伝いも兼ねての参加。小林麻美さんはおとどけアートに関心があって今回秋元さんの呼び掛けに応じて見学にいらっしゃった。二人は次回以降の参加でリバーネームのインタビューもお願いするとのこと。
中休みまでの十数分、漆さんも交えてリバーネームと今回の秋元さんのおとどけアートの行末のことなど、それぞれによって持ち込まれた本を交えて談話。
例によって、コーディネーター小林の校内放送でスタート。本日は札幌市市民文化局の方々のおとどけアートの視察もあり、午前中の中休みの活動はこの二つのゲスト陣も参加しての活動となりました。
転校生秋ちゃんとすっかり仲良しの測量リーダーのぞみちゃんと、他に測量士の面々がホールに集まると、前回予告していた口の字型の螺旋階段を測量開始。一階から三階まで51人、続いて廊下85人、再び二つ目の口の字螺旋階段三階から一階まで114人、一階廊下141人、一階ホールの階段まで153人、ホール階段から二階廊下まで200人分と判明。中休み終了の鐘で本日の測量も終了。次回は中庭の測量からの開始予定。
測量の活動に市民文化局の方々から、「これって何をしているの?」という質問。実在のサイズを身体で感じる、何か隠れているものを知り直すということが作品作りにつながる活動の一つである、と秋元さんの説明が返される。アート、という一般的なイメージから確かに想像がつきにくいわけだが、身体サイズで学校を測る。。。。この測り方、昔定規のない時代なら身体のどこかを使って測ってきた人類の歴史があるわけで、歩幅であったり、手幅であったり、日本の物差し単位で言えば一尺、一寸、一分。元は親指第一関節で測る時代があった。アイヌの人々はモノを作る時、どのような物差しを使って測っていたんだろうか?などと想像すると色々面白くなる。
札幌市市民文化局職員の方々とその後秋元さんのおとどけアートの活動と、アーティスト・イン・スクールの意義について図書室で話し合い。
秋元さんの活動は11月下旬までを予定しているが、作品の出来上がりに従って最終的なかたちにまとまるまで学校とのやり取りによっては延長することも考えられる、という話で、この完成させる期間と完成に至る熱量の交差点の兼ね合いの難しさのことも話題に出た。チラッと控え室の教室に顔を出した前回インタビューを約束していただいた先生から、今日は保護者との個人面談の行事でリバーネームのインタビューは次回に、ということになった。代わりに秋ちゃんへの参考図書として麻生の本を置いて行ってくださった。給食をとりながら秋元さん、櫛引康平さんと小林麻美さんからインタビューに向けて談話。おふたりの活動や、作品、そしてリバーネームとアースネームに繋がるような場所の話を聞く。
秋元さんから「そう言えば、この前の虫の正体がわかったよ!」と、フィールドワーク向けの防水のしっかりきいた装丁の「散歩が楽しくなる雑草手帳」「樹の手帳」(稲垣栄洋著)を見せてもらう。
秋元さん、前々回もそうでしたが、中々入手がもう難しい本を持っているので毎回楽しみになる。前回、図工「小さなすみか」の授業の下見で訪れた公園で、秋元さんが剥落した樹皮で家を作っていた時ハラハラと何かが降ってきて、樹木の種かと思ってよく見ると銀色の虫で何十匹と体のあちこちについてきたのでびっくり仰天して早々にその場を後にしたということがあったのだが、丸くて平たい銀色のこの虫の大群は「プラタナスグンバイ」という樹木の葉の汁を吸って生息している虫だそうで、小春日和の昼下がりに冬籠の準備をしようとしている他の虫たち同様に人の体の温かさを感知したのか、恐ろしいくらいにくっついて離れなかった。この「小さな住処」を作りながら小さな住処を必要とする小さな生き物たちのすみかになるのもちょっとした面白い出来事だったのだが、元々は本州にいる虫とあり、温暖化のことが思い出されて、最近異常発生している虫の大群やカマキリがいた話などになった。
午後の小林麻美さん、櫛引康平さんの帰宅後からは、秋元さんのおとどけアート以前の作家活動がわかるよう、ホールのアトリエサカエニシのボードの前に秋元さんの作品である本と活動地図を展示させてもらう。
秋元さんのリバーネームになる、秋元・石狩川・さなえがなぜ石狩川なのか、この4冊の本を見るとリバーネームのインタビューで参加してくれる人がリバーネームを意識しやすくなるのではということと、このアトリエサカエニシのおとどけアートの形がどうなっていくのか、コーディネーター漆、小林のお二方も期待を持って見守っている、と視察団の方達に語っていたので、この4冊もまたアトリエサカエニシの活動に響いて何か面白い反応が返って来たらと思います。4冊の展示のついでに秋元さんの等身大をなぞって、次回の測量の合間に学校のどこかに貼る予定。
ホールでの作業中に校長先生と四年生の先生、教頭先生がいらっしゃり、次回給食を子供達と一緒にとれることになったのと、リバーネームのインタビューを受けていただくことになった。5時ごろ帰宅準備していると、ひょっこりまたインタビューを約束した先生が顔を出した。「まだいたのねー」と秋元さんと談話。リバーネームの話から川の暗渠の話、そして屋敷先生の知る近くの公園に大友亀太郎の大友堀の深さが体験できる堀のレプリカがあったそうなのだが、いつのまにか無くなって、どのくらいの深さか、どんなものだったのか、知る人が居なくなってしまう、という話になった。
次回は中庭の測量、そしてリバーネームのインタビューがどのようになるのか、楽しみです。
※このブログは弊社(一般社団法人AISプランニング)が実施しているコーディネーター育成プログラム参加者が書いています。
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